アイアンマン デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]出演:ロバート・ダウニーJr. /テレンス・ハワード /ジェフ・ブリッジス /グウィネス・パルトロー
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日 2009-12-02
オススメ度:★★★
ちっちゃいことは気にするな 2010-01-06
9.11事件、イラク戦争、リーマン・ショックとすっかり凋落傾向のアメリカを象徴するように、最近のハリウッド映画に登場するヒーローはグジグジと内省してばかりいる。アメコミの映画化もそろそろネタ切れかと思っていた矢先、とんでもヒーローが現れた。それがこのアイアンマンである。世界有数の軍需産業のトップであり、MIT出身の天才科学者。しかもタイガー・ウッズ顔負けの○○○依存症で、美女とみるや手をつけずにはいられない。まさに放蕩アメリカを象徴するようなヒーローなのである。
最新兵器を紛争地帯に売りつけて暴利をむさぼっていることに良心の呵責など感じることもなかったトニー・スタークは、アフガニスタンでデモに行く途中テロに会い、テロリストに拉致される。爆弾の破片がささった心臓に電磁石を埋め込まれたスタークは、命を交換条件にテロリストから武器開発を依頼された。スクラップの山から無敵のアーマーを完成させ脱出に成功するのだが・・・。
そのトニー・スターク役に大抜擢されたのは、麻薬問題で一時映画界を追われカム・バックしたばかりのロバート・ダウニーJr。それこそ内省がとっても似合いそうな俳優さんではあるが、映画の中では過去の非道に対してこれっぽっちも悪びれる様子がない。原作のベトナムから書き換えられた(現在アメリカが最も敵視する)アフガニスタンのテロ組織から命からがら逃げ出してきたトニーは改心しているようで、その実まったく反省の色がない。ちょっと見方を変えれば、(テロ撲滅のために)さらなる強力な武器を次々と開発してご満悦に浸っているマッド・サイエンティストに他ならないのだ。
しかし、この映画、そのノーテンキぶりが受けたのかアメリカでは興行的に大成功だったらしい。確かに、『ロボコップ』のようなうぃーン・うぃーん・アクションやマッハの領域で繰り広げられるスカイ・バトル・シーンもよくできており、原作からあまり逸脱していない勧善懲悪の脚本にも(内容の浅さはともかく)ご都合主義はさほど感じられない。ヒーローといえば仮面をかぶって正体を隠すことが美徳とされた時代はとうの昔に過ぎ去り、マスコミに臆することなく「俺がアイアンマンだ」と公言する主人公。そんな、ちっちゃいことは気にしないアメリカらしいヒーローの久々の登場に、アメリカの観客は拍手で応えたのであろう。
完成度高し 2010-01-01
原作はアメコミということですが
それは無視して良いです
原作人気を背景にいい加減な作りの映画は
数多くありますが
本作は違います
子供の頃に見た映画で大人になっても記憶してる
楽しい映画がいくつかありますが
その中の一本になることでしょう
アフガン脱出のオープニングと、キュートなグイネスだけでも見る価値あり 2009-12-31
冒頭で誘拐されたスタークが、ミサイルを作れと脅迫されたのに対し、鉄の鎧をつくって、窮地を脱出するくだりがおもしろい。
あんな危険な科学者に火薬やらなんやら与えて、工作所に一人の見張りもつけないアフガンチームもそうとうあり得ないけれど、ストーリ進行上しかたがないか。アフガンチームの隊長だけが、頭が働きそうで、お約束どおり英語を話す。なんてステレオタイプ。
最後のロボットバトルは、ロボコップの二番煎じ。スタークの最後のセリフも、マーフィーの最後のキメ言葉に比べるとパッとしない。
このロボットバトルのせいで、この作品は、少年映画になりさがってしまった。
グイネス・パルトロウのアシスタントは最高。あのキュートな笑顔で、スケジュールを管理されたら仕事もはかどるだろう(ちょっと歳が限界にきているけど)。スタークのベッドにまんまともぐりこんだ金髪ジャーナリストを、さりげなく、ゴミ扱いして追い出すくだりは、この映画で一番おもしろいところ。
自家用ジェットもそうとう好き放題。刺身には熱燗と日本酒にもうるさくスチュワーデスに注文をつけるかと思ったら、夜は、機内のクラブで、ミニスカポリスみたいな格好をさせてポールダンスをさせる。この女の子たちも相当時給もらってんだろうけど。
テクノロジーで一番すごいなと思ったのが、AIのコンピュータもさることながら、3Dホログラフのデザインシステム。ジェスチャ認識機能とホログラフィックイメージの組み合わせで、あたかもプロトタイプを直接触るかのごとくデザインを進めていける。いらなくなった部品をゴミ箱に投げ入れるのは、今のGUIの進化形。デザインさえしてしまえば、あとはロボットが勝手に作ってくれるから、一人でなんでも作れてしまう。
バカじじいになってしまったジェフ・ブリッジスは悲しい。昔キャサリン・ターナーと熱い恋のミステリーを演じた面影はどこにいってしまったのか。もうちょっと役を選んでほしかった。
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